インプラントの寿命は？

「インプラントの寿命」とは、インプラントが撤去されるまでの残存期間のことを指します。
厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」による「歯科インプラント治療のための Q&A」を参照すると、一般的なインプラントの寿命は10〜15年以上といわれています。Q&Aによると、上顎でおよそ90％程度、また下顎で94％程度の人が10〜15年経った時点でもインプラントを保持していると報告されています（抜歯即時埋入や骨移植を伴う埋入の場合は、87〜92％のインプラント生存率です）。
ただし、これはすべての人に当てはまるというわけではありません。より長い間インプラントを保持できる場合もありますし、逆にもっと短いというケースもあります。どの程度の寿命を保てるかは、どのようなメンテナンスを行っているかといった点にかなり左右される部分ではありますので、いかに正しいメンテナンスを行っていくかが鍵になるといえるでしょう。

参照元：【PDF】歯科インプラント治療のための Q&A｜厚生労働省
（https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf）

インプラントの寿命を伸ばすためには下記の点に注意する必要があります。

インプラント治療を行った後は、歯科医院からメンテナンスの案内があります。これは、インプラントを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせないため。メンテナンスをしっかりと行わない場合には、「インプラント周囲炎」になってしまうリスクが高まります。
インプラント周囲炎になると、インプラントを支えている骨が溶けてしまうためインプラントの脱落やぐらつきが発生し、寿命が短くなってしまいます。

喫煙はインプラント治療を受ける方にとってリスクがあると言われています。
これは、喫煙の影響によってインプラントと骨がしっかりと結合するのを阻害されてしまう可能性があるため。さらに、喫煙習慣があると歯肉の血流が悪化してしまうことから感染が起こりやすくなり、結果としてインプラントの寿命が短くなりやすくなると考えられています。

インプラントは歯ぎしりや食いしばりなどによる衝撃を和らげることができません。そのため、衝撃をダイレクトに受けてしまうことから、部品の破損が起こったり、インプラントを支える骨に負荷がかかることによってインプラント周囲炎のリスクが上昇します。
もともと歯ぎしりや食いしばりの癖がある、という場合には、マウスピース（ナイトガード）を使用したり、インプラント治療前に噛み合わせを治療するなどの対策が必要になるでしょう。

インプラントの寿命についてご紹介してきました。インプラントをできる限り長持ちさせるためには、メンテナンスなどをしっかりと行うことが大切です。歯科医院でのメンテナンスを行いながら、喫煙習慣を減らすなど自分でできる対策を行っていきましょう。